日常に活かす密教


日常に活かす密教

◆「運」はこうすればつかめる
◆「四苦八苦」の本当の意味とは
◆商売繁盛のコツ「自利利他」のすすめ
◆「儲かる」には「諸人」を「信者」にする
◆「八つの正しい道」とは何か
◆人の心を揺り動かす「八つの風」
◆あなたは「十二の因縁」に縛られている
◆近江商人は商売を仏教から学んだ
◆人を毒する「三つの煩悩」とは何か
◆欲の深さで死後行く道が決まる

◆商売繁盛のコツ「自利利他」のすすめ


一つの石を投げたら、たまたま二羽の鳥に当たって、二羽とも落ちてきた。
これを、一石二鳥を得るという。
また、一挙両得という言葉もあるが、いずれにしても、一つのことをして二つの利益を得ることをいう。

だが、本当の商売はこれではいけない。
一石が、二鳥どころではなく五鳥も六鳥、十鳥にもなるように考えなければならない。

たとえば、豆腐を考えてみよう。
豆腐は健康食品として脚光を浴びている。
高血圧を防ぎ、痩せるための美容食として外国人にも評判が良い。

ところが作り方が難しいし、にがりを入れてかためてあるのですぐ腐る。
だから豆腐(豆が腐る)と書くのかもしれない。
したがって、売れ残っても何日ももたないという難点がある。

そこで、防腐剤を入れて真空パックをする方法が考えられた。
だから豆腐は、輸出までできるようになったのである。

豆腐が輸出可能になると、外国での値段も下がり、ますます評判が良くなる。
そうなると、今まで細々とやっていた日本の豆腐屋さんも、工場を作って自動機まで導入した。

こうして、豆腐が健康や美容に良いと見直されたことと、防腐剤入のパックができたことにより大幅に需要が伸びた。
すると、原料の大豆はほとんどが輸入なので、外国の大豆農家もうるおうというわけである。

お客も得をし、豆腐屋さんも得をし、外国も得をし、豆腐の機会メーカーも得をし、防腐剤メーカーも得をし、パック材料屋さんも得をする。
これは、一石二鳥どころか、一石十鳥以上である。
いや、この場合は一石十丁かな?

仏教には「利他自利(りたじり)」ということばがある。
他人の利益につながることをやっていれば、それがいつかは自分の利益になってかえってくる、というのである。

だが、真の商売人はこれではいけない。
「自利利他(じりりた)」でなければならないのだ。

自分の利益だけを考える。
ところが、その考えていることが、いつの間にか自然にそのまま他人の利益(みんなの利益)につながっている、というのが自利利他なのだ。

わが社の商品は、流通経費が高すぎるから、すべて直販にする、などというのは、良くない場合が多い。
それでは、卸店や小売店が成り立たない。
売れない商品を作るから流通経費も高くなるのである。
どんどん売れる商品なら、卸店も小売店も低い掛け率でも喜んで取り引きをするのである。

利他即自利(りたそくじり)ではなく、自利即利他(じりそくりた)になるように、日ごろから心がけて何事も考えてもらいたいものである。
そうすれば、あなたの投ずる石はいつでも、十丁ではなかった、十鳥をおとすことになるであろう。




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