おといれだより 平成25年1月号(No.376) から、一部内容のご紹介

おといれだより 平成25年1月号(No.376)
【 目次 】

◆日本人の躾(第37回) 「責任を取る」 -保険のきかない病気-
◆お釈迦さまが残していった宇宙の法則(第66回)
  「箱のなかの水と、襟から抜き出した針 龍樹 その3」
◆平成25年の年回忌表
◆十夜法会・お百度詣り 参加レポート
◆知っていますか?「暮らしに生きてる仏教語」
◆妙喜の密教料理 ~もちピザ~
◆自然カレンダー 【睦月(むつき)】 「新暦、旧暦、六曜、二十四節季、旬の食べもの」
◆密教占い あなたの1月を占う
◆八幡大師大日寺 一月の行事案内ほか



◆日本人の躾 「責任を取る」 -保険のきかない病気- <平成25年1月号より>


責任を取る

「明けましておめでとうございます。ところで和尚さん…」

と、真新しい手拭いを和尚の腰にかぶせてマッサージをはじめたイチゴくんは、改まった口調で、

「先月、和尚さんがおっしゃった、お不動さんの明王道は、目がさめるような生き方ですね。
でも、考えてみると去年は陸上では福島原発の放射能で大騒ぎしているし、海上では北方四島や竹島、尖閣諸島のことで右往左往しました。
いったい日本の政治家やお役人は何をしてるんでしょうね」

「イチゴくん、外国のジャーナリストたちは〝日本人の精神は、病気にかかってる〟といっているらしいよ」

「ええっ!どんな病気ですか?」

「いろんな症状が出るんだってさ。
まずは大物政治家とか大会社の社長がかかる病気だ。
それは〈先送り病〉といってな。
重大な問題が起こると、自分の裁量ですぐ解決しようとしないで、先送りしてしまう悪い病気だよ。
卑近な例では数十年前、日中国交が成立したときに、日本側は〝尖閣諸島は日本の領土です!〟と断言すればよかったのに〝この件は次の世代に任せましょう〟と、先に延ばしてしまった。
おかげでだんだん重症になってきたじゃないか」

「なるほど、これは大病ですね」

「おつぎの病気は〈前例頼り病〉だ。会社の企画会議などで、若い技術者が新しいアイディアを出しても〝そんなの前例がない!〟と古参の重役に反対されてチョン!だ」

「ふーむ、それでは発展は望めません」

「そうだろう。さて、その次は〈危機不感症〉という恐ろしい病気だ。イチゴくん、いま一メガトンの核ミサイルが一発、東京に落ちたら、一瞬にして三百五十万人が死ぬという」

「えっ!そんなに?」

「中国の吉林省など東側の沿岸では、二百七十メガトンものミサイルが日本や台湾に向けて配備されているのを知っているかい?」

「…?」

「それなのに日本の政治家も役人ものほほんと、わが党や自分の目先のことしか考えていない。これを不感症といわなきゃなんという?」

「まだ、ありますか?」

「あるとも、お次ぎは〈責任逃れ病〉だ。
あの福島原発の事故のとき、現地へかけつけたのはいいが、誤った判断で無茶な命令を出し、地域住民を不必要に避難させ、多くの家畜を殺しておきながら国会では平気で自己弁護していた元首相がいたなぁ」

「はい。ああいう人はお詫びに生涯、死ぬまでお遍路さんをして歩けばいいんです」

「イチゴくん、それはいい考えだ。
さて、こういう政治家や官僚が必ずかかる病気が〈馴れ合い病〉だ。
上級官僚たちは自らの定年後のために、政治家や財界の大物と馴れ合って、天下り先を際限なく作ってゆく。
イチゴくん、こんな日本人の病気は、どうしたら治るかね?」

「和尚さん、この病気は保険がききませんし、だいいち薬がありません」

「あるとも」

「え、どんな薬ですか?」

「それは〈責任とり薬〉だよ。今まで言った病気は、全て〝自分が責任をとる〟という覚悟があれば完治するさ」

「そうかぁ、先送り病も前例頼り病も危機不感症も責任逃れ病も馴れ合い病も自己責任において行動すればいいんですね。そういえば、ぼくだって責任をトルことがずいぶんありそうです」

「いや、イチゴくんは和尚の腰や肩のコリを責任もってトレばいいんだよ!」




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