おといれだより 平成25年5月号(No.380) から、一部内容のご紹介

おといれだより 平成25年5月号(No.380)
【 目次 】

◆日本人の躾(第41回) 「筆談の誤解」 -思い違い-
◆お釈迦さまが残していった宇宙の法則(第70回) 「霊験あらたかな写経の功徳 その1」
◆声明演唱会レポート 「声明についてのお話」
◆知っていますか?「暮らしに生きてる仏教語」 -解説編-
◆妙喜の密教料理 ~春キャベツの木の芽和え~
◆自然カレンダー 【皐月(さつき)】 「新暦、旧暦、六曜、二十四節季、旬の食べもの」
◆密教占い あなたの5月を占う
◆八幡大師大日寺 五月の行事案内ほか



◆日本人の躾 「筆談の誤解」 -思い違い- <平成25年5月号より>


筆談の誤解

「イチゴくんは中国で生まれ育ったのだから訊くけど、日本と中国では同じ漢字を書いても意味が違うこともあるのかね?」

「ありますとも。でも和尚さん、どうしてそんなことを尋ねるんですか?」

「実は和尚の知り合いが、中国の同業者の処へ行くというので、〝中国語は大丈夫か?〟と聞くと、〝なぁに、日本も中国も漢字の国だから、筆談で大丈夫ですよ〟といって出かけた」

「どうでした?」

「それが、なんだか分かったような分からないような、狐につままれたようで、意志の疎通が充分にできなかったらしい」

「そりゃそうでしょう。
ぼくが十九歳で初めて日本に帰ってきたとき、迎えに来てくれた人の家で、ご馳走になりました。
〝さあ召し上がれ!〟といわれたときは(何を取られるのか?)とびっくりしました。
中国では〝食べなさい!〟というのに、日本では〝お箸をつけてください!〟とか回りくどい言い方をします。
同じ漢字を書いても、違った意味にとられることもあります」

「なるほど、そうか!
友人が『汽車で行きますから手紙をください』と書いたら同業者は変な顔をしてた、といってた」

「それは、こういう意味です。『自動車でOKです。トイレットペーパーを降ろして』
つまり、汽車は(自動車)、手紙は(トイレットペーパー)、行くは(OK)、下は(降りる)です」

「へぇー、驚いたな。ほかに日本で使っている漢字で中国では意味が違う文字はあるかい」

「ありますとも。ちょっと思いつくまま並べてみますと、〈人間〉と書けば中国では〈世間〉と解釈します。
〈故人〉は日本では亡くなった人ですが、中国では〈旧友〉のことです。
〈老婆〉は〈奥さん〉のこと、〈経理〉は〈社長〉のこと、〈青山〉は〈墓地〉のこと。
〈麻雀〉は〈雀〉のこと、〈写真〉とは〈ヌード写真〉のことです」

「ちょっと待て。じゃあ中国で女の人に〝写真を撮らせて下さい〟なんていうと、大変なことになるな」

「もちろんです」

「でもイチゴくん、日本でも中国でも同じ意味の漢字だってあるだろう?」

「当然それはあります。
たとえば、その〈当然〉も同じ意味ですし〈有名〉とか〈忙〉〈休息〉に〈突然〉〈特別〉〈声〉〈腰〉〈羊毛〉〈努力〉〈恋人〉など、たまにはありますが、多くが違う意味だと思った方が安心できますね。
それから品物のことは〈東西〉と書くし〈花子〉といえばかわいい女の子と思うでしょ。
ところが大違いで〈乞食〉のことです」

「ほほう、そんなに違うかね?」

イチゴくんは得意の分野なのでマッサージの片手を振り上げて説明します。

「違いますとも。〈怪我〉と書けば傷ついたことを思うでしょ?
ところが〈私を責めて下さい〉ということになるんです。
おお、そうだ!和尚さん大切な禁句があります」

「どういう禁句かね?」

「食卓などで女の人に〝卵いかがですか〟とか〈卵〉という漢字を絶対使っちゃいけません」

「どうして?」

「だって卵は〈睾丸〉のことですから」

「ほほう、そりゃいけないねぇ。ところでイチゴくん卵あるかい?」

「え?」




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