おといれだより 平成28年5月号(No.416) から、一部内容のご紹介

おといれだより 平成28年5月号(No.416)
【 目次 】

◆日本人の躾(第76回) 「修福善業」
◆仏事講座「もっと知りたい仏の世界」 ~死の迎え方~
◆知っていますか?「暮らしに生きてる仏教語」 ~面目(めんぼく)~
◆弘法さんのことば(第33回) ~如何が己身の膏肓を療せずして 他人の腫脚を発露すや~
◆やっているぞ!こんな私でも<修行僧ダメ日記> (二十一期生 妙真)
◆妙喜の密教料理 ~豆腐ととろろのフワトロ焼き~
◆自然カレンダー 【皐月(さつき)】 「新暦、旧暦、六曜、二十四節季、旬の食べもの」
◆密教占い あなたの5月を占う
◆八幡大師大日寺 5月の行事案内ほか



◆仏事講座「もっと知りたい仏の世界」 <平成28年5月号より>


~死の迎え方~

◆妙喜
ある日、大日寺に1本の電話がかかってきました。
相談者のB氏は1代で会社を興し世に名前を知られるまでになりました。
今年88歳の祝いを終え、遺言も書き、社葬の手配も済み、あとにすることはないかと考えていくと、
“そうだ『死に際』が見苦しいのはいやだ、悟りきっているお坊さんに聞いてみよう”
という内容の相談です。
彼の相談を聞いている時に、以前住職が話をしてくださった事を思い出しました

◆住職
たいてい、高僧が死ぬときは「遺偈」といってな、弟子たちのために詩の形で遺言を残したものだ。
そこで、偉い禅僧であった仙崖和尚が、いよいよ臨終を迎えたとき、弟子たちが、
――お師僧さま!何かひとこと……。
とお願いすると、たった一言
――死にとうない!
と、いった。
何か聞き漏らしたと思った弟子たちが、
――お師僧さま、もう一度……。
――ああ、死にとうない!
苦しい息の下で、また言った。
びっくりした弟子たちは、
――そんな、あんまりです。なにか大切なお言葉を残してください!
と、哀願すると、しばらく黙っていた仙崖は、最後の力を振り絞って、
――やっぱり死にとうない!
といって、こと切れたのだ。


◆B氏
悟った人でもそうなのですか?

◆妙喜
大日寺の住職はね、こういう風に死にたいと思うことも人間の欲だと言っています。
それより、たった今かもしれない死を迎えるまで、この世に生を受け、ここまで生きてこられたことを幸せと思い続けること。
そうすれば死に際に「幸せだった」と言えると思うし、それを看取った家族も安らかな死に顔に、皆が幸せを満足(喫)されると思いますよ。





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