Home » 日常に活かす密教 » もっと知りたい仏の世界 » 運命と運勢の違いは?
今日は亡き父の命日なのでと供養堂にお参りにやって来たA子さん。
早いもので来月は3回忌を迎えます。
質問
父はとっても運勢の悪い人だったんですよ。
せめて、あの世では安楽に過ごしてほしいと願っています。
3回忌は家族全員でお参りすることにしました。
妙喜
運勢とは『この世でのめぐり合わせ』のことよ。
法事を家族全員でして下さるというすばらしい家族とのめぐり合わせなのに、どうして運勢が悪い人だと思うの?
質問
大学入試に失敗し、入社した中小企業でも後輩たちに先を越されて係長のままで定年になったんですよ。
妙喜
では、お母さんと結婚したご縁は?
質問
「会社の取引先に勤めていて、かわいそうに思えて結婚してあげたのよ」と母はいつも言っていました。
妙喜
かわいそうに思われたお蔭で家族愛いっぱいの家庭を持てたのね!
なんてすばらしい運命なのかしら。
質問
え?....運勢と運命は違うのですか?
妙喜
運勢も運命も天(神)から授かっためぐり合わせのこと。
そして命とは【みこと】と読み、神のことを指します。
神からこの命を次の代(子供たち)まで運びなさいという命令をいただいた事を運命と思ってごらんなさい。
ああ、私のこの世での役目は仕事より家族を大切にすること、これが運命なのだ。
そしてこの行いを子や孫まで運んでいくことにより、子や孫の運勢に勢いがついて良くなるのだと考えてみましょう。
質問
わかりました。
天は二物を与えないという事が。
「おといれだより」平成28年2月号より
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