Home » 日常に活かす密教 » もっと知りたい仏の世界 » 引導を渡すって何?
質問
先日、大好きだったおばあちゃんが亡くなりました。
その葬儀の時、お坊さんがこれから引導を渡す儀式をすると、おっしゃったのですが引導って何のことですか?
妙喜
お坊さんが亡くなった人に、あの世で安心して暮らせるよう導いてあげる儀式のことです。
質問
へぇー、知らなかった。
妙喜
引導の引は引く。導は導く。導くとは道に一寸(3センチ)と書く。
つまり、お坊さんはあの世の入口まで亡者の3センチ先を歩いていって、あの世での生き方、しきたりを教えるのです。
質問
3センチ先って! ぶつかっちゃう!
妙喜
そうです。あの世までの道は真っ暗闇。
まして行ったこともない所へ行くのですから、亡き人は不安がいっぱいです。
質問
あの世のしきたりって、何があるんですか?
妙喜
この世でやって来た行いによって、あの世での行き先が違うというシステムがあります。
天国に行ける人と地獄へ行く人とね。
そしてこの世で悪いことばかりして来た人でも、お坊さまに引導された教えに従って、あの世で過ごせば天国まで行かれなくても地獄より少し上で過ごせ、家族たちの支援である法事によって少しずつ天国に近づけ、亡き人の努力と家族たちの支援を総合判断して13回忌、33回忌には本当の成仏ができ、また新しい命となってこの世に生まれかわるのですよ。
「おといれだより」令和元年7月号より
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