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十夜法会に参加すると、十回分お詣りしたのと同じご利益がいただけます。
そして、この法会の最中、『お坊さん達が唱えるお経を聞きながら、お堂のまわりを百回まわると、願いごとがかなう』といわれています。
これを、お百度詣りと申します。
十月二十六日に代々木の大日寺で十夜法会が営まれました。
十夜法会に参加すると十回分お詣りしたのと同じ御利益がいただけます。
ヨチヨチ歩きの幼児から御歳九十歳と幅広い年代の男女がそれぞれの「思い」や「願い」を心に抱き参加されました。
「驚覚の鐘」といって大きな鐘を四回打ち鳴らして「始まり」を告げます。
参加された方々の一人ひとりが御本尊である十一面観音様の真言をお唱えしながら本堂の内を歩き回りはじめます。
歩く足が畳を擦る音や畳の軋む音がお経を唱え続けている私の耳に入ってきます。
それは参加されている方々の人生の重みなのでしょう。
一口に「お百度詣りする」と言ってもこれは大変なことです。
両手で合掌をして口で真言を唱えて、心に「思い」や「願い」を観音様に届くように念じながら百回お詣りするのです。
これは参加された方々にとって修行と言えるものです。
このようにして一生懸命な姿を観音様は見ていてくださいます。
だから手を差しのべてくださるのです。
私たち修行生が唱えるお経も声明も、未熟ではありますが、この未熟さを観音様に懺悔(反省)して皆さんの「思い」や「願い」が届くように真摯な気持ちでお唱えさせていただきました。
お百度詣りするのに約二時間弱かかりました。
参加された皆さんはずっと真言をお唱え続けていたので喉がとても渇いたことでしょう。
そこへ大日寺名物の「福茶」で喉を潤わされました。
すると皆さんのお顔にやわらかい笑みがこぼれていました。
それはお百度詣りをやりとげた充足感と安堵を「福茶」が呼び起こしたものでしょう。
このような堂内の光景を十一面観音様は優しく見守ってくださったと、その慈愛を感じた十夜法会でした。
大日寺様御礼申し上げます。
私は八十九歳を無事に迎えられた記念に「お百度詣り」に参加させて頂きました。
初めての事で最後迄皆さんについて行けるか不安でしたが「疲れたらいつでも休んで下さい」と言われまして安心しました。
が、始まると十人からの立派なお坊さんの見事なきれいな読経が流れ、心地良いお経を聞きながら歩ける!歩ける。
最後迄疲れ知らずでクリアー出来ました。
お経の力ってすごいですね。
色々浮かぶ事を祈願しながらアッという間でした。
頭から心の中を通って指の先き迄美しいお経に全身清られた充実感と満足感で幸せなひと時でした。
ありがたい、ありがたい一日でした。
又、最後に住職様と力強い握手をして頂き、あの手の温かさを家迄持って帰って参りました。
我が家の仏檀に「もう少し待って下さい。私はこちらでもう少し楽しみます」なんて言って手を合します。
本当に素晴らしい一日を体験させて頂き、大日寺様とのご縁に厚く御礼申し上げます。
感謝申しあげます。ありがとうございました。
住職様、奥様、皆々様ありがとうございます。
お世話様でした。
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