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私たちのご先祖さまはお盆になると私たちの処に帰って来て、現在生きている私たちと共に3泊4日を過ごします。
そして4日目の朝、『ああ、みな元気でやっているなぁ』と、安心してあの世へ再び戻っていかれます。
お施餓鬼とは、その機会に、まだ供養されずにいるご先祖さまや、
生前に自分のことだけしか考えなかったため、あの世に行って餓鬼の世界に迷い苦しんでいる亡者たちにも食物を供えて、ご供養する儀式です。
このお施餓鬼供養の時だけは、本堂から外に向かって、
○○家のご先祖さまや、供養されていない仏さま、餓鬼の世界で迷っている仏さまたちに、
『今、この寺であなたたちのご供養をしています。どうかお入り下さい。』
と招き入れ、本尊さまの前で、ありがたいお経を聞いていただくのです。
お釈迦さまの十大弟子の一人である目連尊者(もくれんそんじゃ)は、
亡くなったお母さんがあの世のどこに居るのかを神通力で見てみました。
意外にも、お母さんは餓鬼道(がきどう)に堕(お)ちて、飢えて骨と皮ばかりになっていました。
さっそく目連は鉢に食べ物を盛り、あわれなお母さんに与えたのですが、
食べようとすると、ふしぎなことに鉢は燃えてなくなってしまいました。
思いあまった目連は、お釈迦さまの処に行き、どうしたら、かわいそうなお母さんを餓鬼道から救い出せるかを聞いたのです。
すると、お釈迦さまは懺悔(ざんげ)の修行をしたお坊さんたちに供養をさし上げて、その残りをお母さんに食べさせなさいと言われました。
それを聞いた目連は、さっそくその通りに供養して、ようやく餓鬼道から救い出すことが出来たのです。
私たちも目連さんにならって、お盆にはお坊さんにお経をあげていただき、供養のお供えを亡き人たちにさしあげるのです。
合掌
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